5年ぶりの訪問となりました。3.11の前年の11月、ウインドファミリーの卵を取り出したばかりの私たちは初めての農場の素晴らしさに感嘆し、美味しい卵を産む、幸福な鶏たちの様子に深く納得しました。
私たちが少し年を取ったと同じように農場もまた少し年を取っていました。上田さんご夫妻も。建物のたたずまいも。
でも、鳥たちは変わらず幸せそうでした。鶏舎の周りをアヒルたちは自由にがあがあ、歩き回っていました。池には田圃の除草の役目を終えた合鴨が・・・。
毎週いただく卵はこの鶏さんたちが産み落とし、鈴木美羽さんが丁寧に梱包して送り出してくださいます。
3.11後の原発事故がもたらす放射能の影響に上田さんはいち早く生産者としての対応を取られました。疑わしくは送らない、まずは放射能検査をと。いま卵も畑の作物も検査はすべてND(未検出)とのことですが、それでもかってのように鶏を昼間鶏舎の外で自由に遊ばせることはしないでいるそうです。
5年前、まさかこの大地が放射能にさらされるなどと考えもしませんでした。
丹精込めた農場のなかで、思いは沈みます。この自然を汚した原発事故はいつ目途が立つのかと。原発のない世の中にいつ舵を切れるのかと。
それでも、
鶏たちは毎日元気に卵を産みます。
私たちも元気にまた「生活村」です。