所沢生活村の代表を務める比嘉は、とっても食いしん坊。安心して食べられる、おいしいものに目がありません。お味噌や梅干しや漬物を作ったり、割れてしまった卵でオムレツを焼いたりしては、「これ、食べてみて」とにっこり笑顔ですすめてくれます。そんな比嘉ですが、いつも社会の在り方について思索し、その思いを毎月の会報に「巻頭言」として綴っています。
毎日のご飯は、政治につながっている。
そのことに気付かせてくれる比嘉の文章を、ブログでもご紹介します。
所沢生活村だより2021年3月30日号より
ある食材のレシピを検索すると、勝手に次々に別のレシピが表示されてくることが当たり前になっている。こんなことをするのなら、もっと他にどんな監視もできると思っていたら、事態は非常に深刻で、人々の個人的な体験を行動データに変換し、大量のデータを基盤に一人一人の行動予測を商品化する仕組みは、私たちの知らないところでアルゴリズムと人工知能によって実行されている。月刊誌「世界」4月号によれば、このデータ監視と情報操作の手法が、フェイスブックから本人に無断で抽出された8700万人以上のデータを用いて、先の米大統領選挙や英EU離脱国民投票で投票行動の変容に使われていたことが発覚している(ケンブリッジ・アナリティカ事件)。デジタル監視技術はずっと以前からあった。公共サービスの民営化や富裕層への大幅減税など、世論の反対が強い新自由主義的な経済政策が災害や戦争など非常時に実行されてきたことを、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインがチリのクーデタ、ソ連の崩壊、イラク戦争などによって論証している(「ショック・ドクトリン‐惨事便乗型資本主義の正体を暴く」)。さらに現在のコロナウイルスによる世界的ショック状態を政財界の指導者たちが利用し始めていると警告を発している。個人情報もプライバシーも売り物ではない。基本的人権を尊重する私たち自身ための新しいデジタル化を目指さなくてはならない。