所沢生活村の代表を務める比嘉は、とっても食いしん坊。安心して食べられる、おいしいものに目がありません。お味噌や梅干しや漬物を作ったり、割れてしまった卵でオムレツを焼いたりしては、「これ、食べてみて」とにっこり笑顔ですすめてくれます。そんな比嘉ですが、いつも社会の在り方について思索し、その思いを毎月の会報に「巻頭言」として綴っています。
毎日のご飯は、政治につながっている。
そのことに気付かせてくれる比嘉の文章を、ブログでもご紹介します。
所沢生活村だより2021年8月31日号より
この新型コロナのパンデミックの中、特に発展途上国へのワクチンや治療薬供給が大きく妨げられている。去年の10月、WTOの知的財産権理事会で南アフリカとインドは、新型コロナに関するワクチンなどにかかる知的財産権を一時免除するよう加盟国に求める共同提案を行った。これら知財のほとんどは先進国の企業が持ち、途上国の生産や購入の壁となっている。エイズを教訓とするドーハ宣言にもかかわらず、米国など先進国は二国間貿易協定やTPPなどで知的保護強化条項を提案し機能させている。この南アとインドの提案に対して多くの途上国が次々と支持を表明、WTO加盟国中3分の2までが賛成。テドロス事務局長の提案歓迎のツイッターに続いて、世界中の多くの個人、団体が支持しWTO加盟国に強く働きかけた。以来WTOでの激しい対立の中、米国での市民社会の運動はかつてない盛り上がりを見せ、一刻も早い感染収束を願う企業も味方につけ遂に5月5日米国通商代表部代表は「米国はこの知的財産権の免除に賛成する」と発表した。何十年も製薬企業の代理人として働いてきた米国通商代表部が、人々の命のために方向転換した。この影響で日本も反対の態度を軟化している。攻防はまだまだ続くが、私たちも現政府に対して、影響力を持ちうる運動が出来たらと強く望む。 (比嘉)