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ひがのひがめ2023.6.27.

所沢生活村の代表を務める比嘉は、とっても食いしん坊。安心して食べられる、おいしいものに目がありません。お味噌や梅干しや漬物を作ったり、割れてしまった卵でオムレツを焼いたりしては、「これ、食べてみて」とにっこり笑顔ですすめてくれます。そんな比嘉ですが、いつも社会の在り方について思索し、その思いを毎月の会報に「巻頭言」として綴っています。

毎日のご飯は、政治につながっている。
そのことに気付かせてくれる比嘉の文章を、ブログでもご紹介します。

AI(人工知能)技術を用いたチャットGPTが注目を集めている。人間の言語活動データを大量に機械学習し、命令や質問へのリアクションとして最もありそうな言葉の組み合わせを生成するのだそうだ。例えば第2次世界大戦の直前に国内の言論活動データだけを学習していたチャットGPTがあったとして、国民が「日本はこの戦争に勝てるのか?」と聞いたとしたら、チャットGPTは「国民が心を一つに力を合わせればきっと勝てる」と答えるのだろうと私は考えている。

 

カナダのジャーナリストで活動家ナオミ・クラインは言う。絶えず悪化し続ける気候危機と絶滅危機が示しているように権力を持つ人々や機関の多数は、自分たちがしていることをよく理解したうえで世界の生命維持システムの安定性を破壊しているように見える。AIの機械のモデルは私たち個人の生と集合的な知的・芸術的遺産を食い物にし、私有化する。そしてその目的は常に大規模な貧困化と引き換えに利潤を引き出すことであり、その貧困化は、資本主義の下では人間の機能をAI機械で置き換えることの論理的帰結だと。(5月8日付け「ガーディアン」雑誌「世界」7月号)様々な要求に手軽に使えてとても便利と、公開後2か月で1億人が利用する大人気だそうだが、最近の世界の動きのあまりの心もとなさに、チャットGPTのこれからを思わずにはいられない。                      (比嘉)