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ひがのひがめ2023.9.26.

所沢生活村の代表を務める比嘉は、とっても食いしん坊。安心して食べられる、おいしいものに目がありません。お味噌や梅干しや漬物を作ったり、割れてしまった卵でオムレツを焼いたりしては、「これ、食べてみて」とにっこり笑顔ですすめてくれます。そんな比嘉ですが、いつも社会の在り方について思索し、その思いを毎月の会報に「巻頭言」として綴っています。

毎日のご飯は、政治につながっている。
そのことに気付かせてくれる比嘉の文章を、ブログでもご紹介します。

 

今夏、世界で記録的高温が続き、最大の要因は気候変動にあると分かっている大惨事が重なる中、国連本部で開かれた「気候野心サミット」で、米国、日本には発言の機会も与えられず、中国、インドは参加しなかった。1.5℃目標さえ本気で達成しようとせず、炭素排出量の限界まで突き進む先進国。その中でも極めて酷い国、日本。(例えば日本の電気はG7で単位当たりのCO2排出量が最多なだけでなく、石炭火力が主力の中国とも大差なくなった。)世界5番目のCO2排出国、世界2番目の一人当たりのプラスチック使用量の多い国。政治の「集団的無責任体質」は先の大戦以来ずっと変わらず、東日本大震災の原発事故の責任もうやむやなまま、このままこの気候変動の責任もうやむやにして、政治の主要課題にもせず、私たちは自然災害だけでなく民主主義や経済や環境などいくつもの危機に直面している。日本の食糧生産の指針となる「食料・農業・農村基本法」の改正作業が進んでいるが、その中間とりまとめ(今年5月)では農業に関する基本的施策は「スマート農業」が中心で、有機農業など家族経営を重視し農業の在り方の根本的な見直しを通じた社会の転換といった発想はない。また、農業者に対する環境支払いを充実させることなく、消費者負担で環境負荷低減をしようという政策である。「食料安全保障」がこれで実現するはずはない。国防費をいくら増やしても国民の食料がなければ何の役にも立たない。私たち所沢生活村は生産者と共に有機農業を、水田を、守っていきたい。                       (比嘉)