所沢生活村の代表を務める比嘉は、とっても食いしん坊。安心して食べられる、おいしいものに目がありません。お味噌や梅干しや漬物を作ったり、割れてしまった卵でオムレツを焼いたりしては、「これ、食べてみて」とにっこり笑顔ですすめてくれます。そんな比嘉ですが、いつも社会の在り方について思索し、その思いを毎月の会報に「巻頭言」として綴っています。
毎日のご飯は、政治につながっている。
そのことに気付かせてくれる比嘉の文章を、ブログでもご紹介します。
所沢市の新市長に就任した小野塚勝俊さんの初タウンミーティング(テーマは「子ども・子育て」)に参加した。市役所の大会議室で開かれた会合には溢れんばかりの市民が参加。小さなお子さん連れの若いご夫婦が目立った。会場の市民からの意見は、そのほとんどが発達障害や不登校のお子さんを持つ方、ゆとりのない保育現場の実情を訴える保育士さんからの発達障害や不登校への対応や制度の改善の必要性、適切に対応できる医師や専門家、病院・施設の不足、小中学校の教員の対応の不適切さを具体的に訴える切実な声などだった。中には既に市議会に請願書を提出した経験を経て個々の団体の横のネットワーク作りを市に求める方もいた。OECD(経済開発機構)の統計で世界各国の単位耕地面積当たりの農薬使用量(日本は世界一を常に争っている)と発達障害児の割合が見事に相関することを知り、文科省の昨年の調査で日本の小中学生の発達障害児は8.8%にも急増していることは承知していたが、その深刻さを初めて実感させていただいた。市民一人一人が自分の可能性を最も拡げられるという意味で所沢を日本一の町にするよう全力を尽くすと冒頭に言われた小野塚さんはこれら市民からの意見に対して、「ご意見は痛いほど分かる、東京都等に比べて明らかな予算の不足はあり今後の議会での承認が前提という中で、具体的な提案やこれから必要な調査などを説明しながら、みんなで知恵を出し合い協力して取り組む」と決意を述べられた。その誠実な応え方に明るい光が見える気がした。生活村は、生産者と消費者を結び付けて個々人がどんな食べ物・生産を選ぶかに寄与し地域の生態系の力を取り戻す農業の強化に向けて役立ちたいと願う。(比嘉)